LTspiceでの電圧制御スイッチの使用方法を説明する。
電圧制御スイッチの基本
LTspiceには主に2種類のスイッチがあるが、最も一般的なのは電圧制御スイッチである。
スイッチの配置
- ツールバーの「Component」をクリックするか、F2キーを押してSelect Component Symbolウィンドウを開く。
- 検索フィールドに「sw」と入力し、電圧制御スイッチのシンボルを選択する。
- 回路図上にスイッチを配置する。
スイッチの設定
- 配置したスイッチを右クリックし、Component Attribute Editorを開く。
- Valueの項目にモデル名を入力する(例: “パコパコ君”)。
- SPICEディレクティブを挿入するために、メニューバーからEdit → SPICE Directiveを選択するか、Sキーを押す。
- 以下のような形式でスイッチのモデルを定義する:
.model パコパコ君 SW(Ron=1m Roff=100Meg Vt=5 Vh=0)
ここで:
- Ron: オン抵抗
- Roff: オフ抵抗
- Vt: しきい値電圧(スイッチが切り替わる閾値)
- Vh: ヒステリシス電圧
スイッチの動作
- 制御電圧がVtを超えるとスイッチがオンになり、Ronの抵抗値になる。
- 制御電圧がVt未満になるとスイッチがオフになり、Roffの抵抗値になる。
応用例
- スイッチング電源回路のシミュレーション
- 理想ダイオードとしての使用
- チャージポンプ回路の設計
電圧制御スイッチを使用することで、トランジスタなどの実際のスイッチング素子を理想的なスイッチに置き換えて、回路の動作を簡単に確認したり理解を深めることができる。
電流制御スイッチ
LTspiceには電圧制御スイッチの他に電流制御スイッチ(csw)も存在する。電流制御スイッチは外部からの電流値を検知して、スイッチ内部の抵抗値を変化させ、ON/OFFを切り替える。使用方法は電圧制御スイッチと類似しているが、制御パラメータが電流値になる点が異なる。
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